約三十の嘘(土田英生/著)

約三十の嘘

約三十の嘘

約三十の嘘」は、1996年に、著者土田 英生さんの劇団「MONO」で上演するために書かれました。
映画化された後、映画「約三十の嘘」をベースに、著者自身の手で小説化された、小説版「約三十の嘘」が、この本です。
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嘘発、幸せ行きの旅は、どこへ着くのだろう?
6人の詐欺師チームが3年ぶりに再結集。
寝台特急トワイライトに乗り込み、北海道へ。仕事は成功するが、大金の詰まったスーツケースが消えた。
そこから明らかになる人間模様とは・・・・・・。
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詐欺師といえば、人を騙すのが商売ですが、それ故に、心に大きな空洞を持っています。
その空洞を満たすのが、詐欺師の仲間たちで作るチームの信頼関係という、逆説的なテーマが主題になっています。
詐欺で稼いだスーツケース一杯のお金を、仲間同士で騙しあう詐欺師たち。
そのドタバタ劇の中に、人間味に溢れた活き活きとしたセリフがちりばめられ、面白い小説に仕上がっていると思います。